【原産地】 | イネ科コムギ属の一年草 中央アジアのコーカサス地方から西アジアのイラン周辺が原産地と考えられている。 |
【日本で】 | 中国経由で伝来されたと考えられている日本でも約2000年前の遺跡から小麦が出土しており、伝わったのはそれから遠くない弥生時代であると考えられている。奈良・平安期には五穀の1つとして重視された。 また、製粉技術が未発達だったゆえ、小麦その他「粉」を使用した食品は、長らくぜいたく品とされた。庶民がうどん、饅頭、ほうとう、すいとんなどの粉食品を気軽に口にできるようになったのは、碾き臼が普及した江戸時代以降である。 |
【食べ方】 | 現在、原料として使用される小麦の種類は、小麦粉の種類・用途に応じて異なり、たんぱく質の量によって強力粉(パン用)、準強力粉(中華めん)、中力粉(うどん用)、薄力粉(菓子用)に分類される。 |
【栄養分】 | 小麦粒全体の重量のうち、皮の部分は約15%でたんぱく質、脂質、灰分が豊富に含まれている。小麦粉になる部分は胚乳と呼ばれ、粒全体重量の約85%をしめ、糖質、たんぱく質が主成分。また、小麦の芽になる部分は胚芽と呼ばれ、全体の約2%にあたり、脂肪、たんぱく質、ミネラル、ビタミンなどを豊富に含んでいる。 |
【栽培】 | 播種時期は、春播き小麦と秋播き小麦がある。本来、コムギは日長が長くなってから出穂する長日植物である。そのため、秋播きが本来の作型である。しかし、光周性(感光性)や低温要求性が小さい品種が作られ、それらが春播き小麦として利用されている。 |
【流通】 | 麦は需要量の約9割を外国産麦の輸入で賄っている。国内産麦は民間流通により取引されており、外国産麦は政府が国家貿易により一元的に輸入し、需要者に売り渡している。 また、米とは異なり、最終的にパンやめんとして消費するために、流通過程において各種の加工工程を経ている。 小麦は、主に製粉企業が製粉して小麦粉にし、その小麦粉を原料として二次加工メーカーがパン・めん・菓子などを製造している。 |