白ネギ

【原産地】 ユリ科
中国西部,中央アジア北部とされています。中国には紀元前から栽培されており,日本へは朝鮮半島を経由して8世紀ごろ伝わり,日本書紀にも「ねぎ」の表記がされているほど古くから食用にされていました。ねぎは主に白い部分(葉鞘:ようしょう)を食べる白ねぎと緑色の葉の先端部まで食べられる青ねぎに分かれます。また,品種の系統として「加賀系」「千住系」「九条系」の3分類されます。「千住系」「加賀系」が白ねぎ(根深ねぎ)の系統になります。ねぎはそれぞれの気候にあった,その地方特有の品種に人気があります。
【日本で】 白ねぎと青ねぎ全体として日本での収穫量は51万トン,葉茎菜類ではキャベツ,たまねぎ,はくさい,レタスに次いで第5位です。また,約7万トンの輸入を行っていて,業務用中心に需要が高く,そのほとんどが中国からのもので99%を占めています。以前は白ねぎは関東以北(耕土が深く,冬の寒さが厳しい),青ねぎは関西というように食べ分けられていましたが,現在では関西でもすき焼きに白ねぎを入れるなど全国的に2種類のねぎが食べられるようになりました。また,品種も両方に使える中間種も出ています。
【食べ方】 緑の葉の部分は堅いのであまり食べませんが,白い部分は軟らかくて甘味があります。辛味の成分は熱を加えることで辛味の成分が甘味に変わるので焼いたり,煮もの,炒め物,すき焼きはじめ鍋料理の定番です。また,青ねぎ同様薬味としても使います。しかし,長時間の加熱と水のさらし過ぎは効能を減らすので注意しましょう。
【栄養分】 古くから薬用野菜として利用され,白い葉鞘部にはビタミンCが多く,なかでも香りの成分のアリシンは血行促進,疲労回復,殺菌など様々な効果があります。また,人にとって必要元素であるセレンというミネラルが含まれており発がん性抑制に関連することがわかりました。
また,独特のにおいのもとである硫化アリルを含んであり,包丁などで細胞が傷つけられることでにおい成分が発生します。このにおいは,交感神経を刺激して体温を上昇させる働きがあり,風邪の予防に効果を発揮します。
【栽培】 北海道から九州まで全国で栽培されており,比較的冷涼な気候(生育適温12~22℃)を好むので 高温期に生育が滞ったり,病害虫が発生しやすいです。ねぎは根の酸素要求量が多く,何度も土寄せをするので,特に排水の良い畑を選びます。一般に3~4月蒔きの秋冬どりが収穫期間が長く,年間生産量の7割を占めます。播種後60~70日,草丈30~35㎝ぐらいで定植します。一般に幅20~30cmの畝幅に土寄せのために120㎝前後の条間を取り,溝の端に沿わせて定植していきます。土寄せは葉鞘と緑の葉の分岐点まで行います。光をさえぎり葉鞘部を白くするという方法では,土を寄せる代わりに畝にとたんを立て,土の代わりに籾殻を入れて作る方法もありますが収穫は楽ですがまっすぐなりにくのが欠点です。病害としては,べと病,黒斑病,さび病など,虫害としてはアザミウマ(スリップス),ハモグリバエなどの発生が多いです。
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